満州・満蒙開拓

＜1938年2月15日付朝刊＞東筑摩郡では昨年青少年義勇軍割当７５名に対して１３０名を送り出し全国最大多数の記録を作ったが今年の割当は一昨年の２倍１５０名の多数で郡教育部会では今年の児童のたくましき興亜熱に訴えて割当以上の送り出しを行わんと努力した結果、現在までに既に割当を満たし２０名を突破した。2月末の締め切り日までには割当数の２倍３００名内外に達するものと期待されている。

＜1938年10月17日付朝刊＞大陸に瑞穂国大日向村を建設すべく本県南佐久郡大日向村の分村移民団団長小須田秋、堀川元雄両氏外百九十六名に村から四家房の現地まで随行同地移民状況を視察して帰る四氏を加えた二百二名の大移民団は十六日午前九時三十七分小海線羽黒下駅発三両連結の列車で村民多数の見送り裡に雄々しく満州の新天地目指して出発した。出征兵士を見送るとは又異なった一種悲壮の面持ちである。想えばこれがこの世の生き別れとなる老人たちも相当多いことであろう、永年住み馴れた故山の駅を一同を乗せた列車は今立つのである。送る者も感極まって声がなかった。

黒台信濃村開拓団に加わり、７歳になる１９３９（昭和14）年、南佐久郡青沼村（現佐久市）から満州へ渡りました。家族５人で暮らしました。村には諏訪神社が建立され、写真は思い出深い御柱祭の一こま。東信地方出身者で屋台を設け、うどんを提供しました。祭りは近隣の都市などからも見物客が訪れるほど盛況でした。畑で草取りをする子どもたちの写真は実家の祖父母に送ったものですが、背景が検閲で消されました。戦後に神社や家屋を思い出しながら描き足しました。 【写真説明】（信毎取材）黒台信濃村の諏訪神社御柱祭で記念写真に納まる佐久地方出身者ら。外部から見物客が集まるほどのにぎわいだった

黒台信濃村開拓団に加わり、７歳になる１９３９（昭和14）年、南佐久郡青沼村（現佐久市）から満州へ渡りました。家族５人で暮らしました。村には諏訪神社が建立され、写真は思い出深い御柱祭の一こま。東信地方出身者で屋台を設け、うどんを提供しました。祭りは近隣の都市などからも見物客が訪れるほど盛況でした。畑で草取りをする子どもたちの写真は実家の祖父母に送ったものですが、背景が検閲で消されました。戦後に神社や家屋を思い出しながら描き足しました。（時期不詳）

黒台信濃村開拓団に加わり、７歳になる１９３９（昭和14）年、南佐久郡青沼村（現佐久市）から満州へ渡りました。家族５人で暮らしました。村には諏訪神社が建立され、写真は思い出深い御柱祭の一こま。東信地方出身者で屋台を設け、うどんを提供しました。祭りは近隣の都市などからも見物客が訪れるほど盛況でした。畑で草取りをする子どもたちの写真は実家の祖父母に送ったものですが、背景が検閲で消されました。戦後に神社や家屋を思い出しながら描き足しました。 【写真説明】（信毎取材）大根畑で作業する三石さん（手前右）たち。上から４分の１ほどが検閲で消され、戦後、諏訪神社（左奥）などの風景を鉛筆で描き足した（時期不詳）

松本市の歩兵第５０連隊の将校だった父が、ノモンハン事件の補充要員として出発することになり、その直前に松本市の官舎前で撮影したもので、母の膝にいるのが私です。父はその後満州に家族と駐屯しましたが、1945（昭和20）年春、異動の命令で一度松本市に戻り、家族も帰還して、終戦を迎えました。

1938（昭和13）年、旧下伊那郡川路村（飯田市川路）の村民大会で分村移民が決議された。父・芳一（よしかず）は学校の教師として翌年、旧満州（中国東北部）の木蘭県老石房に一家６人で入植することを決意した。この写真は39年11月、川路で渡満の記念として檜皮（ひわだ）ぶきのわが家の前で撮った。一族が集まり、国旗が掲げられた。中央で軍服を着て帽子をかぶっているのが芳一で、その左のかっぽう着姿の女性が母・佐（さ）つの。家族の他に大勢の親戚も写っている。私は撮影の２年後に奉天で生まれた。幼い弟は満州からの引き揚げの途中、チフスで亡くなったと聞いている。（82歳・飯田市）2023年10月31日付

この店は満洲の白城子中央大通りで信更村（現長野市）出身の父が経営していた店で、本店は同じ信更村出身の人が経営する四平街にありました。私は昭和11年（1936年）にこの家で産まれました。お隣が写真館で、たびたび写真を撮ってくださり、店の前で割烹着姿の母に抱かれているのが妹、隣に立っているのが私です。店内の写真では、新学期を前にしたせいかランドセルや学用品が並び、下駄なども見えます。私は三輪車の棚の下に立っています。

父は1932（昭和７）年の満洲国建国を受けて設立された満洲国の国営通信社「満洲国通信社」で敗戦まで働いていました。当時としては貴重な放送、通信の写真が一部残されていましたので登録させていただきます。こちらの写真は日中戦争開戦で、同盟通信社の腕章を巻いた父が前線から携帯用無線機で送信しているところです。この無線機は満洲国通信社が開発したもので１人で操作でき、当時としては画期的なものだったということです。

父は1932（昭和７）年の満洲国建国を受けて設立された満洲国の国営通信社「満洲国通信社」で敗戦まで働いていました。当時としては貴重な放送、通信の写真が一部残されていましたので登録させていただきます。父はノモンハン事件に従軍し「危険を顧みず最後まで打電した」ということです。１枚目は裏書きに「張家口放送局にて満蒙国境ノモンハン従軍記放送記念撮影」とあります。２枚目も張家口での撮影で、最後まで打電した功労の勲章を着けているとみられます。

私が産まれた昭和10年当時、父が軍人、母が店を経営し、きょうだいは７人で、私は下から２番目でした。経済的に苦しかった時期で、両親は大変苦労しました。父は陸軍少尉として昭和12年から始まった日中戦争に応召され、最前線で足に銃弾を受けて負傷、傷痍軍人となり、在郷軍人の肩書きで尽くすことに。父は手先が器用で見よう見まねで古着の仕立て直しで生計を助けました。これが、満洲へ出発する前の我が家の状況でした。１枚目は長男が撮影し一番前の左端が私です。２枚目が父です（撮影時期不明）。