満州・満蒙開拓

＜1946年6月16日付夕刊＞満州の開拓地から引き揚げてきた人たちを集めた座談会の連載。「死んだものは送出の約３割」「仕方なく３つ以下のものと不具の子供を２０名ほど犠牲にした」「日本の将校が来て『おまえ達は兵役にあるのだろう。女子供は犠牲にして第一線へ出よ』と命令してきた。そこで私は『自分の団から既に３００名の男のうち２６０名までが応召している。その家族を自分たちは預かっているのだ。（略）ここで女子供を捨てろというならば自分も一緒に死ぬ、か弱い女子供を見殺しにして行く訳にはいかない』ととうとう頑張って拒絶」「向こうの軍人は親切だった」（略）

＜1950年8月2日付朝刊＞本県出身者により組織されていた満州東安省信濃村開拓民のうち帰還者約百名を除く1200名の生死はいまだに確認されていないので、県生活課は帰還した元開拓団員を中心に東安省開拓団調査会を組織し消息の調査に努めていたが終戦記念日を前にして１日県庁に開かれた同調査会で鶏西、鶏寧で168名の同団員が集団的に自決し、その後奉天、牡丹江などの収容所でも約900名が病死、150余名が生死不明という状況が判明した。

１９４３（昭和18）年５月、更級郡篠ノ井町（現長野市）出身の父が南満州鉄道（満鉄）に勤めていた関係で、満州の炭鉱の町・撫順で生まれました。写真は父が愛機で撮影し、自ら現像したものです。家族５人のだんらんや各地の建物が記録されています。45年８月の旧ソ連軍侵攻に伴う引き揚げを経験し、新京（現長春）で病死した母や、帰国直後の家族写真もあります。姉がアルバムにまとめていたものを、実家を処分する際に持ち出し、大切に保管していました。 写真は、引き揚げ直後、父彦一（右端）に抱かれた私や姉秀代（左端）ら（１９４６年９月、埼玉県）

１９４３（昭和18）年５月、更級郡篠ノ井町（現長野市）出身の父が南満州鉄道（満鉄）に勤めていた関係で、満州の炭鉱の町・撫順で生まれました。写真は父が愛機で撮影し、自ら現像したものです。家族５人のだんらんや各地の建物が記録されています。45年８月の旧ソ連軍侵攻に伴う引き揚げを経験し、新京（現長春）で病死した母や、帰国直後の家族写真もあります。姉がアルバムにまとめていたものを、実家を処分する際に持ち出し、大切に保管していました。 写真は、姉の秀代が通った篠ノ井高等女学校（現篠ノ井高校）＝１９４５年、現長野市

満州では、南佐久から多く渡った千曲郷開拓団で過ごしました。引き揚げて８年後、昭和29年５月16日に、小海近辺にいる同じ開拓団の人たちで撮った懐かしい写真です。手前の子どもたちは、引き揚げてきてから生まれました。 逃避行では千曲郷も多くの人が亡くなりました。仲間と一緒に引き揚げてきて、苦しい思いをしました。ほとんどいなくなり、この中に写っている大人では、生きているのは私１人だけになってしまいました。後ろの木の前、着物を着ているのが私です。結婚する前の年、病院の厨房に勤めていたころです。

＜2018年8月11日付朝刊 ＞信毎こども記者が２０１８年８月５日、「満蒙開拓平和記念館」（下伊那郡阿智村）で開かれた小学生向けの学習会に参加し、「信毎こども新聞」のページで平和への思いを伝えました。

〈2024年１月10日付 １面・第１社会面〉　連載　「鍬（くわ）を握る　満蒙開拓からの問い」がスタートしました。

父は昭和14年に満洲に渡り翌年から２年間、奉天青年学校で勤務し、昭和17年から満鉄（南満洲鉄道株式会社）の奉天鉄路学院に勤務しました。写真はいずれも昭和20年３月の卒業記念写真で、１枚目前列右から３人目、３枚目の３列目右端が父です。父は終戦直前の８月３日に応召され、ソ連侵攻で捕虜となり、中央アジア方面に強制就労させられることになります。

満洲で奉天の満鉄の学校で働いていた父は昭和20年８月３日に応召され、ソ連軍の侵攻で捕虜となり、中央アジア方面に強制就労させられることになります。私は翌年３月１日、満洲で生まれ、６月に引き揚げ船で帰国します。しかし、母が病気で、７歳の姉が生後３カ月の私を背負って現・長野市篠ノ井岡田の母の実家にたどり着きます。写真はそのころのものです。姉にとっては大変な旅で、遺棄され残留孤児にならずに済んだことは、今でも母と、特に姉に感謝しています。

満洲の奉天の学校で教師をしていた父は終戦直前の８月３日に応召されてソ連侵攻で捕虜となり、中央アジア方面に強制就労させられることになりました。その翌年に私が産まれ、母と特に姉のおかげで先に帰国していました。父は抑留中に肋膜炎を患い、昭和22年６月、早めに帰還が許されたとのことでした。姉の満洲の回想では、生活自体には豊かさを感じていたということで、これは満鉄を中心とした経済環境にあったゆえでしょう。当時、満洲は憧れの新天地と若者の心を惹き付け、父母が渡った心根もそこにあったと推察します。

父は満鉄（南満洲鉄道株式会社）の職員、母も満鉄関連会社勤めでした。私は昭和19年の現地生まれで、皆が復員した昭和22年の撮影です。私は前列右から２番目の子どもです。

母が参加した1944年の奉仕団は春から作業して収穫期を終え、本格的に寒くなる前に帰国しました。このため終戦間際の混乱に巻き込まれず、戦後は、こうした集まりも開いていました。母は前から２列目の左から３番目です。

私は黒台信濃村（現・中国黒竜江省）へ1939（昭和14）年、７歳で入植しました。現地に諏訪神社があり、小学生の私たちも開拓団員にまじって鉛筆のような小さい松の苗を参道に一生懸命植えました。敗戦で大変な帰国の苦労をしましたが、それまでは、のんびりしていたような思い出が主でした。2004年の訪問時、入植地の近くでは燃料用に伐採されたのか灌木しかありませんでしたが、この時の苗が立派に成長した並木になっていて、びっくりしたし、うれしかった。その並木の前で撮影した記念写真で、前列右から２人目が私です。

1939（昭和14）年に黒台信濃村（現・中国黒竜江省）に７歳で入植しました。当時は少なくなっていたとはいえ、現地のゲリラがまだ出ていました。信濃村を縦断するように満鉄の虎林線が通過していて、村の西南に黒台駅、東北に連珠駅がありました。黒台駅には中に兵士らが入って襲撃者に応戦する「トーチカ」があって、駅舎や線路を守る備えにしていました。１枚目の2000年9月6日の写真が黒台駅のトーチカで、銃眼がたくさんあります。２枚目の1993年6月27日の写真は反対側からの眺めで、やはり銃眼が高いところに見えます。

敗戦時私は15歳で、逃避行の中、高齢者と子どもの自決を体験する中で生き残り、帰国しました。こちらは卒業式の写真ですが、初等科１年から高等科２年までの全校で写っています。

敗戦時は15歳で、逃避行の中、高齢者と子どもの自決を体験する中で生き残り、帰国しました。こちらは第一回千曲郷思い出会です。

敗戦時は15歳で、逃避行の中、高齢者と子どもの自決を体験する中で生き残り、帰国しました。こちらは北相木母子センターで開いた千曲郷想い出会です。

敗戦時は15歳で、逃避行の中、高齢者と子どもの自決を体験する中で生き残り、帰国しました。こちらは北相木村で開いた千曲郷開拓団五十回忌法要式典です。

船に乗り、何日も列車に乗って満洲の広さを実感し、昭和20年５月のある日、夕方近くに竜山駅に到着。４男の兄が馬に乗って出迎えてくれました。馬車に乗って到着した先は地平線の彼方の満洲人の集落で、満洲国北安省北安県向陽でした。土塀で囲まれた中へ門から入ると土で造られた二軒長屋が20棟ほどあり、外には鶏や豚が放し飼い。集落に学校があって先生１人と生徒20人ほどでした。写真はいずれも開拓地付近のものです。４枚目、馬を引いて耕作を手伝っているのは満洲人です。

ソ連国境に近い北安県の岡谷向陽開拓団の開拓地は想像以上に広く、真っ平らの畑の畝を一本耕していくと人が視界から消えるように感じたし、畑の真ん中から四方はすべて水平線。大豆、ジャガイモ、野菜、カボチャ、スイカなどが肥料なしでたくさん採れました。日本の食糧難を経験したものにとって、嘘のような場所でした。しかし昭和20年７月頃から男が現地召集され、我が家も団長の父と16歳の３男の兄が抜けてしまいました。集落で使っていた満洲人が一人もいなくなり、８月９日、ソ連軍の侵攻を受け、私は14歳の兄と逃げました。ソ連兵の捕虜となり、新京の収容所で３男の兄と合流。厳しい冬を生き延び、昭和21年7月に帰国しました。